肝臓領域
試15-39、14-43、13-18、13-16、12-47、12-49、12-50、11-22、11-19、10-18、9-18、8-18、6-5、6-6、5-28
参考書籍:撮像技術P143-144
参考HP① 参考HP② 参考HP③
参考PDF① 参考PDF②
肝特異性造影剤(Gd-EOB-DTPA)
・排泄
胆汁と腎排泄(6割)
健常人は造影剤の約4割は糞中から排泄
・細胞外液と肝細胞に分布する
・造影剤はトランスポータによって肝細胞に取り込まれる
・臨床における通常投与量
:0.1mL/kg(0.025mmol/kg)(250mmol/L)
・造影剤投与後(ダイナミック)
造影早期相では細胞外液性の造影剤として作用し、血流評価が可能
投与後1分程度から血中および細胞外液に取り込まれはじめる
20分後から肝細胞相での増強効果によって肝細胞機能を評価できる
・造影効果
少なくとも2時間持続する
造影効果は肝機能の程度によって変化する
腎機能は関係しない
血漿中のR1(T1緩和度)はGd-DTPA 造影剤の約2倍のT1短縮効果を示す
・NSF(腎性全身性線維症)に対して Gd-DTPA 造影剤と同様の取扱いを行う必要がある
・肝臓はin-phaseのGRE 法を選択する
・使用上の注意
禁忌
:本剤の成分又はガドリニウム造影剤に対し過敏症の既往歴のある患者
原則禁忌
(1)一般状態の極度に悪い患者
(2)気管支喘息の患者(類薬でショック、アナフィラキシーが報告されている)
慎重投与
(1)アレルギー性鼻炎、発疹、蕁麻疹等を起こしやすいアレルギー体質を有する患者
(2)両親、兄弟に気管支喘息、アレルギー性鼻炎、発疹、蕁麻疹等を起こしやすいアレルギー体質を有する患者
(3)薬物過敏症の既往歴のある患者
(4)腎障害のある患者又は腎機能が低下しているおそれのある患者(排泄が遅延するおそれがある)
臨床
○古典的肝細胞癌
・動脈相:増強効果あり、高信号
・門脈相:癌結節周囲がリング様に高吸収(コロナサイン)
・肝細胞相:造影剤の取り込みはなく、低信号
・DWI:高信号
・T2WI:高信号
・肝動脈塞栓術後のリピオドールは障害陰影とならない
○肝細胞癌組織内に胆汁を産生するgreen hepatoma
・動脈相:増強効果あり、高信号
・肝細胞相:造影剤の取り込みはあり、高信号
○異型結節(Dysplastic Nodule)
・肝細胞相:高信号~等信号
・T1WI:高信号
・T2WI:低信号
○限局性結節性過形成(FNH)
・動脈相:増強効果あり、高信号
・肝細胞相:造影剤の取り込みはあり、高信号
○肝海綿状血管腫
動脈相~門脈相:辺縁から中心に向かって徐々に造影される(peripheral globular enhancement)
・肝細胞相:造影剤の取り込みはなく、低信号
・T2WI:で高信号
・T1WI:で低信号
○肝嚢胞
・動脈相:造影剤の取り込みはなく、低信号
・肝細胞相:造影剤の取り込みはなく、低信号
・T2FSWI:高信号
○脂肪肝
・エコーにて限局性低脂肪化域 (focal spared area)が見られる
・広範な脂肪化の中に低脂肪部が残存する
・境界はやや不整の低エコー領域として観察される
・Chemical shift imagingにて、in phaseに比べてout of phaseで信号低下を認める
MRエラストグラフィ(MR elastography)
試:15-31
完全解説P650
参考PDF① 参考PDF② 参考PDF③
参考HP① 参考HP② 参考HP③
○概要
・生体組織内を伝搬する弾性波をMRIにより画像化する
・弾性算出法により弾性波画像から弾性率や粘性率を反映した画像を生成する
・肝の繊維化の評価に利用される
・双極性傾斜磁場をかけながら、それと同期した強制せん断振動を与える
→波動の伝搬を位相情報として収集する
・ずり弾性率G
弾性体の伝搬波速度と密度から算出する
G=ρv2=ρ(λf)2
ρ:弾性物体の密度[kg/m3]
v:ずり弾性波の伝搬速度[m/s]
λ:ずり弾性波の波長[m]
f:ずり弾性波の振動周波数[Hz]
・心拍動の影響で左葉領域の測定値が不正確になることがある
・鉄沈着の強い症例では撮像困難
膵臓領域
試12-46、12-49、9-14、5-16、5-12、2-15,1-15
概要
・T1FSWI
膵臓の輪郭を明瞭に描出できる
脂肪を含むため低信号を示す
・T1WI
内包する高蛋白により、腹部で最も信号の高い臓器
・濃縮胆汁の場合はTEを短縮すると描出能が向上する
・肝動脈が障害陰影となる場合がある
・Oddi括約筋の影響により描出能が変化する
・エコースペースの短縮は蠕動運動によるアーチファクト抑制効果有り
臨床
○膵癌
・T1WI
:膵実質に比べて低信号
・動脈相で周囲の膵実質より弱く造影され、2相目、3相目で徐々に濃染していく
・腫瘤形成性膵炎と膵臓癌の鑑別
:内部の均一性、造影効果など
○膵充実性偽乳頭状腫瘍(solid-pseudopapillary tumor、solid and cystic tumor)
参考HP
・出血成分
T1WI:高信号
T2WI:低~高信号
・充実部
T1WI:低信号
T2WI:高信号
・被膜
T2WI:低信号
○副腎腺腫瘍
・腫瘍内の脂肪組織を検出するためにGRE法によるin phase/opposed phaseのdual echo T1WIを撮像する
・転移性悪性腫瘍の鑑別にin phaseとopposed phaseのT1WIを用いる
・opposed phaseにて信号低下が見られたら脂肪を含むため副腎腺腫瘍と診断する
○IPMN(Intraductal papillary mucinous tumor)
・しょう液性嚢胞はDWIにて低信号を示す
○膵島細胞腫瘍
・T2WI:高信号
・動脈相において膵実質より増強効果は強い
○粘液性嚢胞腺腫
・T1WI
:嚢胞液が高信号を示すことがある
○急性膵炎
・T1FSWI:低信号
・T2FSWI:高信号
○胆道気腫(Pneumobilia)
・横断像の撮像が有用
○Rokitansky-Aschoff sinuses(ロキタンスキー・アショフ洞)
・良性病変
・胆嚢において上皮が粘膜固有層や筋層にまで落ち込んでできたくぼみ
・菌の温床になるため胆嚢炎の母地となる
・RASが認められた場合、腺筋症の疑いが強い
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