拡散強調像(DWI)
試15-28、14-2、14-21、12-15、11-10、9-8、9-15、7-13、4-4、2-13、1-13
参考書籍:完全解説P268~ 、 撮像技術P125~
参考PDF① 参考PDF② 参考PDF③
参考PDF④ 参考PDF⑤ 参考PDF⑥
概要
・水分子の拡散の大きさとその方向を知ることができる
・分子運動が少ない程、高信号(腫瘍内容など)
・同時に3方向に拡散運動検出傾斜磁場(MPG:motion probing gradient)を付加することで拡散の異方性をなくすことができる
・水分子拡散の確率密度分布は生体内で正規分布しない
・EPI法はスピンエコー法に比べバンド幅が広い
→ ケミカルシフトアーチファクトの影響が小さい
・EPI法によるDWIでは縦緩和の影響を排除するためにTRを長く設定する
b値
・b値
:拡散運動検出傾斜磁場(MPG)を印加する強さ
拡散がどの程度強調されているのかを示す値
単位:[sec/mm2]
b =γ2× G2× δ2×(Δ – δ/3)
γ:磁気回転比
G:傾斜磁場強度
δ:MPG印加時間
Δ:MPG間隔
・b値が小さいと拡散よりも還流(毛細血管内の血液など)の影響が強くなる
・b値が大きいほど、コントラストは大きくなる
ADCmap
・ADCmapの単位
:[mm2 /sec]
・ADC の“みかけの”はT2-shinethroughの影響を受けるためについている
・拡散測定時間はADC値に影響を与える
・ADCは絶対値ではなく装置や撮像条件によって変動する
○ADCの値
・b値B0の時の信号強度をS0、b値B1の時の信号強度をS1とした時
ADCの値=ln(S0/S1)/(B1-B0)
・大脳白質のADC<大脳灰白質のADC・・・白質の方が自由に拡散ができない
・水のADC>実質臓器
・ADC値に影響する細胞組織学的因子
細胞密度:小さいほどADC値大
細胞サイズ:大きいほどADC値大
粘稠度:小さいほどADC値大
温度:温度によってADC値変化
拡散係数D
アインシュタイン・ストークスの式より、
D = kTB
= kT/6πμa
k :ボルツマン定数
T :温度
B :移動度
μ :粘性
a :分子半径
・拡散係数が大きいほど,拡散速度が速い
マルチショットEPI
試14-20、13-21、13-48
・Single-shot EPIに対するMulti-shot EPIの特徴
「傾斜磁場への負荷が少ない」
「動きによるアーチファクトを生じやすい」
「歪みが小さい」
「撮像時間が長い」
「N/2ゴーストを生じにくい」
「磁化率アーチファクトが減少する」
「Readout方向にもmultishot化できる」
拡散テンソル画像(DTI)
試15-28、8-8
参考PDF
・MPGの方向を変化させた複数の画像から脳や神経の拡散の異方性を表す画像
・脳や脊髄の神経線維、髄鞘の方向性や規制する強度を画像化する方法
・神経繊維などの障害物があると、それに沿った方向に拡散運動が制限される
・白質神経路や軸索損傷の評価に用いる
・最低6方向からのMPGパルスが必要
・FA値
異方性の強さ(神経繊維の方向)を示す
値:0~1
等方性拡散のFA=0(水が自由に拡散できるCSFなど)
異方性拡散のFA=1に近い大きな値(拡散が制限される白質など)
・FAマップ表示でのコントラスト
白質:高信号
灰白質:中等度~低信号
脳脊髄液:低信号
コメント