概要
試15-30、13-23、10-16、8-5、7-5、6-5
参考書籍:完全解説P624~P639~P645
参考PDF① 参考PDF② 参考PDF③
参考PDF④ 参考PDF⑤
参考HP① 参考HP② 参考HP③
・脳血流量(CBF)、脳血液量(cBV)、平均通過時間(MTT)が得られる
・関心領域内の微小循環による信号強度変化を経時的に画像化する
・灌流(perfusion)
組織の毛細血管における血流動態
単位時間あたりに入れ替わる血液量で表される(ml/min/100g)
撮像法
1.DSC-PWI (dynamic susceptibility contrast PWI)
・Gd系造影剤を用いた灌流画像
・高濃度の造影剤の通過による T2短縮効果による信号上昇を継時的に観察する
・Gd造影剤血管内投与後のT2*WI(通常はEPI)における組織の信号強度低下を捉えた曲線から、組織の血液灌流を評価する
・T1短縮を無視できるシーケンスを使用しないと信頼性が低い
・脳血流量(rCBF)
=脳血液量(rCBV)/平均通過時間(MTT)
・脳血流定量値はヘマトクリット値やヘモグロビン濃度によって変化する
2.ASL (Arterial Spin Labeling)
・潅流画像の撮像方法
・RFパルスで標識して磁化率変化を測定する
・造影剤を使用せず、動脈血のプロトンを標識し内因性のトレーサとして用いる
・頸部の血管にRF照射を行い血液のスピンを反転させ、それを造影剤の代わりのトレーサとして利用する
・ラベリング撮像を行った画像からラベリングを行わないコントロール画像を差分し、CBFマップを得る
・ASL灌流像は標識された動脈血の到達を見ており,PLDの影響を強く受ける
・ASLでは局所血流量(CBF)を算出できる
・定量画像はPDWIで信号補正を行う
・トレーサの持続時間は血液のT1に依存する
・脳虚血がある場合はPLDによって描出されるイメージは異なる
○PLD (post labeling delay)
・動脈上流側でのRFパルス照射による標識が終了してからデータ収集までの時間
・動脈血に標識した後、標識された動脈血が脳組織に染み渡るのを待っている
・通常、PLDを1.5秒程度に設定すると、局所脳組織の灌流を反映した信号が得られる
スピンが脳皮質に到達するまでには1秒程度必要なため
・静磁場強度では変化しない
ASL法での血液のラベリング方法
1.PASL法(pulsed ASL)
・励起のためのRFパルスを瞬間的に印加する
・MT効果(magnetization transfer効果)が小さい
・PASLの代表的な手法
:「FAIR」「STAIR」「PICORE」など
2.CASL法(continuous ASL)
・励起のためのRFパルスを連続して印加する
・血流の通過時間の影響が少ない
・PASL法よりもS/N比が高い
・連続して反転パルスを印加することから、SARが高くなってしまう
・ラベルに要する時間によって撮像時間が長くなる
3.pCASL法(pulsed continuous ASLまたはpseudo continuous ASL)
・励起のためのRFパルスをパルス状に分割して印加する
・短い励起時間の矩形波を一定間隔で繰り返すことでCASL法と同様の持続した血液信号の励起を行う
・高いラベル効率を保ちつつ、SARを低減することができる
各ラベリング法の比較
PASL | CASL | pCASL | |
SNR | 低い | 高い | 高い |
SAR | 低い | 高い | CASLより低い |
MT効果 | 小さい | 大きい | 大きい |
ASL灌流画像の問題点
・標識する部位と撮像断面が離れている
→局所血流量を過小評価してしまう可能性がある
・RFパルスのプロファイルの精度が低下する
→局所血流量を過小評価してしまう可能性がある
・標識された血液が太い血管内に残る
→脳実質の局所血流量を過大評価してしまう可能性がある
コメント