技術分野

基礎物理

死後画像診断(オートプシー・イメージングAutopsy imaging; Ai)

試19-6 参考PDF①   参考PDF②   参考PDF③ 参考PDF④   参考PDF⑤ 〇温度が画像に与える影響 死後MRIは体温によって信号強度やコントラストが変化し、 臨床画像では見慣れないコントラストを呈する場合がある ・FLAIRの水信号抑制不良 ・T2WIの脂肪信号の抑制 ・常磁性体の信号変化:大脳基底核、肝臓などの臓器にはフェリチン、マンガンなどの常磁性体の蓄積が多い。死後画像ではそれらの部位の信号変化が特に目立つ 〇温度依存パラメータ ・熱平衡磁化M0 ・縦緩和時間T1 ・横緩和時間T2 ・拡散係数 ・化学シフト ・共鳴周波数 ・ADC値:生体と比較すると死体のADC値は、1/2~1/4程度まで減少する
技術分野

脊椎(臨床)

試19-34、12-49、11-25、10-6 髄膜腫(Meningioma) 参考:参考HP①   参考PDF① ・好発部位:胸椎 ・硬膜内髄外腫瘍 ・T1WI:脊髄と比べて低~等信号 ・T2WI:等~高信号 ・造影:均一な増強効果あり 図 髄膜腫 T1WI T2WI CE T1WI 引用:Case courtesy of Henry Knipe, <a href="">Radiopaedia.org</a>. From the case <a href="">rID: 57975</a> 多発性硬化症(Multiple sclerosis) 参考HP ・脱髄性疾患 ・T1WI:等〜低信号 ・T2WI:高信号 ・造影:活動性病変は造影効果を伴う 神経鞘腫(schwannoma) 参考HP①   参考HP② ・硬膜内髄外腫瘍 ・好発部位:胸椎>頸椎>腰椎>仙椎 ・T1WI:脊髄と比べて等〜低信号 ・T2WI:高信号 ・造影:高信号を示す     嚢腫状やリング状を呈し不均一に造影されることがある 図 神経鞘腫 T1WI T2WI CE T1WI 引用:Case courtesy of ...
技術分野

MRエラストグラフィ(MR elastography)

試:19-28、17-22、17-26、15-31 参考:完全解説P650 参考PDF①  参考PDF②  参考PDF③ 参考HP①   参考HP②   参考HP③ 参考H④ ○概要 ・生体組織内を伝搬する弾性波をMRIにより画像化する ・弾性算出法により弾性波画像から弾性率や粘性率を反映した画像を生成する ・肝の繊維化の評価に利用される ・Phase Contrast法が基本となる  双極性傾斜磁場を用いる  正負の運動符号化傾斜磁場(motion encoding gradient :MEG)を使用する ・ずり弾性率G  G=ρv2=ρ(λf)2  ρ:弾性物体の密度  v:ずり弾性波の伝搬速度  λ:ずり弾性波の波長  f:ずり弾性波の振動周波数 ・心拍動の影響で左葉領域の測定値が不正確になることがある ・患者の体表部に配置したパッシブ・ドライバーの振動を利用する ・鉄沈着の強い症例では撮像困難
技術分野

膵臓、MRCP

試17-3、12-46、12-49、9-14、5-16、5-12、2-15,1-15 概要 膵臓 ○T1FSWI ・膵臓の輪郭を明瞭に描出できる ・脂肪を含むため低信号を示す ○T1WI ・内包する高蛋白により、腹部で最も信号の高い臓器 ○濃縮胆汁の場合はTEを短縮すると描出能が向上する ○肝動脈が障害陰影となる場合がある ○Oddi括約筋の影響により描出能が変化する ○エコースペースの短縮は蠕動運動によるアーチファクト抑制効果有り 臨床 1.膵癌 ・T1WI:膵実質に比べて低信号 ・脂肪抑制T1WI:低信号 ・動脈相で周囲の膵実質より弱く造影され、2相目、3相目で徐々に濃染していく ・腫瘤形成性膵炎と膵臓癌の鑑別:内部の均一性、造影効果など 2.膵充実性偽乳頭状腫瘍(solid-pseudopapillary tumor、solid and cystic tumor) 参考HP ・出血成分はT1WI:高信号、T2WI:低~高信号 ・充実部はT1WI:低信号、T2WI:高信号 ・被膜はT2WI:低信号 3.副腎腺腫瘍 ・腫瘍内の脂肪組織を検出するためにGRE法によるin phase/o...
技術分野

肝臓、EOB・プリモビスト

参考書籍:撮像技術P143-144、完全解説P322 参考HP①  参考HP②  参考HP③ 参考HP④  参考HP⑤ 試19-35,19-39、17-26、17-29、15-39、14-43、13-18、13-16、12-47、12-49、12-50、11-22、11-19、10-18、9-18、8-18、6-5、6-6、5-28 肝特異性造影剤(Gd-EOB-DTPA) ・排泄   胆汁と腎排泄(6割)   健常人は造影剤の約4割は糞中から排泄 ・細胞外液と肝細胞に分布する ・造影剤はトランスポータによって肝細胞に取り込まれる ・臨床における通常投与量:0.1mL/kg(0.025mmol/kg)(250mmol/L) ・造影剤投与後(ダイナミック)  造影早期相では細胞外液性の造影剤として作用し、血流評価が可能  投与後1分程度から血中および細胞外液に取り込まれはじめる  20分後から肝細胞相での増強効果によって肝細胞機能を評価できる ・造影効果  少なくとも2時間持続する  造影効果は肝機能の程度によって変化する  腎機能は関係しない  血漿中のR1(T1緩和度)はGd-DTP...
技術分野

頭部 (臨床)

試19-32、19-33、17-9、16-26、16-27、15-2、15-37、15-39、14-40、13-16、13-17、12-48、12-49、12-50、11-6、11-9、10-2、10-15、9-33、8-11、8-16、8-17、7-11、7-36、6-3、6-5、5-15 参考PDF①  参考PDF②(P64-65) 脳梗塞 参考書籍:臨床画像P34~ DWI ・虚血による細胞外液浮腫を捉えるために撮影する ・出血性脳梗塞では高信号となることがある ・超急性期ではDWIでのみ異常高信号が描出されることが多い FLAIR ・FLAIRで異常が明らかになるのには,遅い症例では発症後24時間程度経過した急性期以降になる ・FLAIRでの高信号は血栓を反映した所見と考えられる (intra-arterial signもしくはhyperintense MCA sign) ・造影剤を用いた灌流画像を撮影して,DWIの病変範囲を比較することがある 脳梗塞発症後のMRI・CT所見の経時的変化 病期 病態 MRI CT DWI ADC T2WI 発症直後(0~1時間) (閉塞直後:灌...
撮影・読影技術

女性骨盤、乳腺領域

女性骨盤 試19-37、15-34、15-39、14-42、13-13、13-16、12-49、12-50、11-43、10-1、10-44、9-20、9-28、8-20、8-34、7-7、7-39、4-31、2-15、2-17、1-15、1-17 参考HP①  参考HP②  参考PDF①  参考PDF② ・女性骨盤のMRI検査は病期診断に有用 図 T2WI Sag 1:外層筋層 2:junctional zone 3:子宮内膜 4:膀胱 5:恥骨 卵巣 ○卵巣癌 ・T1WI:不均一な低信号 ・T2WI:嚢胞性の部分が高信号、充実性部分が中~低信号 ・造影効果あり 〇卵巣捻転 ・所見 :「造影効果なし」 「卵巣の腫大」 「付属器への子宮の偏位」 「腹水の存在」 〇漿液性嚢胞腺腫 参考HP ・T1WIで単胞性の均一な低信号 ・T2WIで高信号 ・造影効果なし ・DWI(b=1000)で低信号を示す → 漿液は粘液物質を含まない比較的さらさらした透明な分泌液であるため 〇卵巣成熟嚢胞性奇形腫(類皮嚢腫/mature cystic teratoma/dermoid cyst) 参考HP ・胚...
技術分野

膀胱、前立腺領域

前立腺 試19-36、17-39、16-39、15-38、15-39、13-16、12-44、11-12、10-7、10-30、9-6、9-28、8-6、8-35、6-19、5-17 参考HP①  参考HP② 参考ガイドラインPDF 図 前立腺Ax DWI 図 前立腺Ax T2WI 図 前立腺 T2WI Sag a:膀胱  b:恥骨  c:尿道海綿体 d:精嚢 e:前立腺  f:内尿道口  g:直腸 引用:Case courtesy of Dr Dalia Ibrahim, <a href="">Radiopaedia.org</a>. From the case <a href="">rID: 29986</a> 解剖・画像所見 ・区域分類 「辺縁域」「移行域」「中心域」 ・McNeal による解剖学的分類 「辺縁域」「移行域」 「中心域」「前葉線維筋性間質(AFS)」 ・神経血管束はrectoprostatio angleを走行する ・前立腺外科的被膜 :内腺領域と辺縁域の境界 ・前立腺背部より射精管が合流し中心域を通る ・前立腺中央を尿道が貫く ・正常な辺縁域はT2WIで高信号を...
技術分野

冠動脈・心臓

試19-40、17-27、17-29、16-19、14-41、12-43、13-14、13-50、10-19、8-7、8-12、8-13、6-35、4-11 参考書籍:撮像技術P301、307 参考PDF①   参考PDF②  参考PDF③ 参考HP①   参考HP② 概要 ・心臓MRIではradial scanとSSFPシーケンスを組み合わせると更にSNRが向上する ・薬剤負荷を行う際は前処置が必要 ・薬剤負荷を行うと、安静期では判断できない冠動脈狭窄の存在を知ることができる ・冠動脈狭窄率が75%以上になるまでは狭窄領域の心筋血流は非狭窄領域と同等に保たれる ・駆出率EF=(EDV-ESV)/EDV×100 EDV:拡張末期容積  ESV:収縮末期容積 撮像法 ①Coronary MRA(MRCA)(plaque imaging) ・冠動脈の形態を直接描出するMRA ・冠動脈狭窄病変の評価に用いる ○撮像法 a) selective 3D coronary MRA ・主要な冠動脈の走行に沿って撮像スラブを薄く設定し、呼吸停止下で撮像する b) whole-heart coronar...
技術分野

MRスペクトロスコピー

試19-9、16-9、15-9、14-25、13-19、12-3、12-16、12-18、12-48、11-12、11-24、10-7、10-11、10-24、10-33、9-6、9-7、8-6、8-9、6-40、2-18、1-18 参考書籍:完全解説P116、撮像技術323-341 磁気共鳴スペクトルの医学応用P54、P82 参考HP 参考文献① 参考文献② 概要 ・共鳴周波数の差から分子の種類や量を分析(スペクトル表示)する ・水や脂肪の信号を抑制することで代謝物のピークが得られる ・ppm(parts per million)表記は化学シフトの差が  静磁場強度に依存しない普遍的な値 ・均一性が重要でシミングが必須 ・アクティブシミングは局所磁場を補正する際に  高次成分の補正を行う ・シミングは水抑制なしの励起で行う 1H-MRS 1. N-アスパラギン酸(NAA:N-acetyl-aspartate) ・ピーク:2.0ppm ・正常ニューロンの指標 ・神経細胞障害(軸索損傷など)、神経源性の腫瘍、発達障害、神経細胞数減少が起こるとピークが低下する ・中枢神経系障害を呈する白質...
技術分野

磁化率 / バンディングアーチファクト

磁化率アーチファクト 試19-16、19-18、18-19、17-19、16-21、15-22、15-36、14-37、12-23、9-31、8-31、4-34、2-14、1-14 参考HP①   参考HP② 図 磁化率アーチファクト 図 オーラ(Aura)サイン 原因:増毛パウダー                ・位相エンコード方向に出現する ・出現しやすい条件 「EPI>GRE>SE>FSE」 「180°パルスを用いない撮像法」 「リフォーカスパルスを用いない(GRE系列)」 「静磁場強度が大」 「TEが長い」 「スライス厚が大」 「ピクセルサイズ、ボクセルサイズが大」 「組織間の磁化率の差が大(空気や鉄イオンの存在)(肺,頭蓋底,副鼻腔,腹腔内等)」 ・チタン合金はコバルト・クロム合金よりアーチファクトの影響が少ない ・対策 「SE法を使う」 「低磁場装置を使用する」 「TEを短くする」 「スライス厚を薄くする」 「バンド幅を広くする」 「ピクセルサイズを小さくする(マトリクス数を増やす)( FOVを小さくする)」 「VAT法(view angle tiltingによる撮像スライ...
技術分野

頸部 / 膝関節 / 足関節

頸部 試13-47 概要 ・Motion artifactを軽減するため、受信バンド幅を広く設定する ・Metal artifactを軽減するため、T1WIをSE法からFSE法に設定する ・腕神経叢を評価するため、DWIの脂肪抑制法は局所磁場均一性の高いSTIR法を選択する ・T2WIでCSFのflow void artifactが問題となる場合は、GRE法のT2*WIを選択する SE系のシーケンスでは、CSFの流れの速い頸胸髄の撮像で、CSFと直交するAx面にて本来なら高信号のCSFが無信号を示す(flow void) ・検査依頼内容が脊椎転移性腫瘍の検索目的であった場合、T1WIから撮像する 頸動脈のblack blood imaging 試13-49、11-48、10-43 参考書籍:完全解説P603~ 参考PDF① ・呼吸性アーチファクトを軽減するため脂肪抑制を付加して撮像する ・不安定プラークの性状評価には脂肪抑制パルスの付加が有用 ・2次元データ収集FSE法で撮像する場合は心電同期もしくは脈波同期が必須 ・3次元データ収集再収束フリップアングル法で撮像する場合、血管走行に対...
技術分野

化学シフト(ケミカルシフト)アーチファクト

試19-16、19-17、19-27、18-19、18-21,17-19、16-2、16-21、16-25、15-20、14-12、14-38、13-24、11-40、11-28、10-49、9-31、9-37、9-38、8-31、7-12、7-21、6-30、6-27、5-31、5-33、5-5、4-32、3-15、2-4、2-16、1-4、1-16 参考書籍:撮像技術P169、完全解説P319、      パワーテキストP192 ケミカルシフト ・共鳴周波数は局所の水素原子核がどのくらいの磁場の影響を受けているかによって決まる ・脂肪は水よりも電子の数が多く、脂肪が受ける磁場の強さは水よりも約3.5ppm弱い → 弱くなると脂肪の共鳴周波数は小さい方へシフトする → 上記過程で共鳴周波数が違ってくることをケミカルシフトという ・ケミカルシフトの影響は磁場強度に比例する ・水と脂肪の中心周波数の差 =プロトンの周波数42.6×106×静磁場強度×ケミカルシフト3.5×10 -6(3.5ppm) ・In-Phaseを繰り返す周期 =1/水と脂肪の中心周波数の差 ケミカルシフトアーチファ...
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