試19-40、17-27、17-29、16-19、14-41、12-43、13-14、13-50、10-19、8-7、8-12、8-13、6-35、4-11
参考書籍:撮像技術P301、307
参考PDF① 参考PDF② 参考PDF③
参考HP① 参考HP②
概要
・心臓MRIではradial scanとSSFPシーケンスを組み合わせると更にSNRが向上する
・薬剤負荷を行う際は前処置が必要
・薬剤負荷を行うと、安静期では判断できない冠動脈狭窄の存在を知ることができる
・冠動脈狭窄率が75%以上になるまでは狭窄領域の心筋血流は非狭窄領域と同等に保たれる
・駆出率EF=(EDV-ESV)/EDV×100[%]
EDV:拡張末期容積 ESV:収縮末期容積
撮像法
①Coronary MRA(MRCA)(plaque imaging)
・冠動脈の形態を直接描出するMRA
・冠動脈狭窄病変の評価に用いる
○撮像法
a) selective 3D coronary MRA
・主要な冠動脈の走行に沿って撮像スラブを薄く設定し、呼吸停止下で撮像する
b) whole-heart coronary MRA
・心臓全体を一度に3Dにて撮像する
・SSFPシーケンスに脂肪抑制やT2prepを併用することで明瞭に描出できる
・呼吸同期にはナビゲーターエコー同期法を用いる
・不整脈の患者には、収縮期に合わせて正確にデータを収集することで明確に冠動脈を描出できる
・プラーク評価のためには、コントラストを高める必要があるため、T1WI、T2WIどちらでも脂肪抑制が必要
②心筋perfusion撮像
・MRI造影剤を急速に静脈注入し、心筋の初回循環(first pass)のT1増強効果をもとに心筋血流動態を撮像する
・Gd系造影剤をボーラス注入してファーストパスによるT1短縮効果を利用する
・fast gradient echo train(FGRET)法を使用する
・正常心筋内に造影剤が還流する
・虚血部は造影剤のfirst passでは造影効果のない低信号として描出される
・梗塞巣は還流が遅い
・虚血性心疾患が評価できる
③black blood imaging
・double IR法を用いる
・スライス面内の血流を無信号で描出する
・シーケンス
→FSE法にdouble-inversion pulseを付加する
→非選択的パルスと選択的パルスを用いて血液信号を抑制
→脂肪抑制を併用し、T2値延長域を検出しやすくする
・一般的に心電図同期と呼吸停止下で撮像する
・利用
→心筋の性状評価、組織性状の診断、冠動脈壁厚、
血管内のアテローム変化の検出、心筋梗塞後の浮腫の検出、
心サルコイドーシスの診断、たこつぼ心筋症の診断
・シーケンスチャート
①心臓全体にNon-selective180°IRパルスを照射し、信号を落とす
②撮りたいスライスにだけもう一度IRパルスを照射し信号を戻す
③しばらく待つとスライスの周囲の抑制された血液がスライス内に流入してくる
→心室の中はBlackbloodになる
④心室の中がBlackbloodになった状態でFat-satをあてて、励起をかけてリードアウトする
→T2BBが取得できる
④心筋遅延造影法(Late Gadolinium enhancement MRI)
・造影剤の静脈注入後15~20分後に撮像し,心筋障害部位での造影剤の排出遅延を描出する撮像法
・心筋細胞膜の障害や心筋間質部の増加などで障害心筋部位と正常心筋部位に造影効果(T1値)が生じる
・正常心筋を無信号にし、梗塞巣の信号を得る
・高い空間分解能を有するdouble IR法で撮像される
・正常心筋の信号強度が無信号になる反転時間の測定が必要
・PSIR法(phase sensitive inversion recovery)
通常のIR法よりもTIの影響が少ない
TIの調整が不要
・「アミロイドーシス」「サルコイドーシス」「拡張型心筋症」「肥大型心筋症」の診断に有用
・心筋のバイアビリティーを評価できる
⑤心電図同期シネ撮像法
・一定方向の一定の流れは高信号
・逆流や乱流による血流の乱れは低信号
・解離性大動脈瘤におけるentry(解離孔)やre-entryの評価が可能
・SSFP法を用いると心機能の評価ができる
○撮像法
a)プロスペクティブ心電図同期シネ撮像法
・R波のピークを用いて、データ収集の開始点を決定する方法
R波をトリガーに一定のDelayでScanする
・フラッシュアーチファクト:発生する
・不整脈が有った場合、不整脈のデータも含まれてしまう
→モーションアーチファクトが懸念される
図 シーケンスチャート(Prospective)
b)レトロスペクティブ心電図同期シネ撮影法
・心電図を走らせながら、連続的にデータ収集を行う
→R-R間隔のところで細切れにデータを分け、それぞれをkスペースに充填する
→時相が少しずつ変化し、あたかも動いているような画像が取得できる
・フラッシュアーチファクト:発生しない
・拡張末期の画像を得られる
・不整脈に弱く、頻発するとScanが進まない
図 シーケンスチャート(Retrospective)
○機能解析手法(feature tracking法)
参考PDF
・シネMRIの画像から心筋ストレインを定量評価する
・専用のワークステーションで解析するため、追加の画像撮像が不要
・心筋ストレインとは
心筋組織の変形を意味する
拡張末期の心筋の長さを基準とした伸縮率
左室短軸断面の3方向(円周方向、厚み方向、左室長軸方向)で表される
⑥心筋シネタギング撮像法
・心筋壁局所運動評価と心機能評価に用いる
・SPAMMパルスを用いてシネ撮像する
SPAMMパルス
:スライス内の磁化を空間的に変調させる非選択的励起パルス
7. 位相画像法(phase contrast; 法;PC 法)
・双極傾斜磁場をシネMRI法に組み合わせ、位相シフトの変化を撮影画像化する
・心時相毎に心腔内や血管内の断面を通過する平均流速を測定できる
・肺体血流量比や半月弁・房室弁逆流量が定量的に測定できる
8.T1 mapping
・組織のT1値をピクセル毎に定量評価し、マップ表示する
・心筋組織性状の定量的評価に利用
○手法
①Native T1
・造影剤を使用せずにT1 mappingの撮影を行う
得られたT1値をそのまま評価に用いる
・疾患による緩和時間の関係
T1延長:心筋炎、心筋梗塞、肥大型心筋症、
アミロイドーシス、浮腫
T1短縮:鉄沈着、脂質性疾患、ファブリー病
・注意点
静磁場強度に依存
→同じ組織であっても1.5T装置と3T装置は
異なる値を示す
施設、装置、撮像シーケンス間において、
計測されるT1値や再現性に差がある
②心筋組織の細胞外容積分画(ECV)を算出
・Gd造影剤投与前後で心筋組織、左室内腔血液の
T1値を計測し、逆数の差を算出する
さらに採血データ(ヘマトクリット値)で
補正して算出する
・注意点
造影剤投与以外の要因を基本的には排除できる
→得られる数値の普遍性が高い
③MOLLI T1 mapping法(modified Look-Locker inversion recovery)
参考PDF
・息止めとECGを利用し、同一心位相でIR prepared pulseとsingle shot balanced SSFP readoutによってTIを経時的に変化させた画像データの信号強度を基にT1 mapを作成する
・Look-Locker 法でのT1値測定にはT1*効果が問題である
④MP2RAGE 法(magnetization-prepared 2 rapid gradient echo)
・撮像に用いられるRFパルス(B1+)の印加むらに頑健なT1 mapを得る手法
・反転パルスを印加後に2つの異なるTIでデータを収集する
得られた画像に対して演算を行った結果と数値計算による
信号回復のシミュレーション結果との対比を行う
⑤Dual flip angle法
・T1 mapはB1の影響を受けやすい
画像診断
心サルコイドーシス
・好発部位:心室中隔
・遅延造影:造影効果あり
心アミロイドーシス
・遅延造影:心内膜下にびまん性の造影効果あり
たこつぼ型心筋症
・左室心尖部の壁運動低下と内腔拡大を示す
・T2WI:心尖部の壁運動異常領域に高信号
→心筋浮腫を示唆する
・遅延造影:造影効果なしもしくは淡い造影効果
急性心筋梗塞
・遅延造影:高信号
・T2WI:高信号
陳旧性心筋梗塞
・遅延造影:高信号
・T2WI:等信号
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