SAR(比吸収率)
試19-42、19-47、18-17、18-40、18-41、17-21、17-41、17-46、15-19、15-44、14-27、14-32、14-33、13-26、12-32、12-13、11-32、11-47、9-24、8-21、8-33、7-12、7-18、7-22、7-23、6-17、2-9、2-12、1-9、1-12
参考書籍:完全解説P404、670
概要
・RF送信コイルからのラジオ波帯域の高周波照射によって、高周波エナルギーが誘導加温により熱として人体に吸収される
・RFによる発熱の効果はSARによって評価される
・SAR = (σ・D・ω2・B2・R2・α2 )/20ρ
・D ∝「スライス数」「RFパルス時間」「1/TR」
σ:電気伝導率(水分含有量の多い組織ほど高い)
D:RF(高周波パルス)のデューティサイクル
ω:周波数
B:RF(高周波)の磁場強度、静磁場強度
R:球体の半径(患者の大きさ)
α:フリップ角
ρ:組織密度
・単位:[W/kg]
・水分含有量の少ない組織(脂肪、骨髄)では多い組織(血液、脳脊髄液)より小さくなる
・人体の中心部よりも体表のほうが加熱されやすい
・ETLを少なくするとSARは下がる
・パラレルイメージングはSAR低減効果がある
・デューティサイクルDの低減方法
1)TR内のRF照射回数を下げる
→FSE等のRFパルスを近接して照射するシーケンスを避ける
2)TRを延長させる
3)予備パルス使用を制限する
SAR上限値(ボリューム送信コイルの場合) (JISZ4951:2017)
・定義
:6分間の一定時間で平均化された値
環境温度が25℃未満であることを想定している
・平均時間 6min
・操作モード毎の値
操作モード | 全身SAR | 身体部分SAR | 頭部SAR | 局所SAR (頭部) |
局所SAR (体幹部) |
局所SAR (四肢) |
通常 | 2 | 2~10 | 3.2 | 10 | 10 | 10 |
第一次水準管理 | 4 | 4~10 | 3.2 | 20 | 20 | 40 |
第二次水準管理 | >4 | >4~10 | >3.2 | >20 | >20 | >40 |
・MR検査の比吸収エネルギー
最大エネルギー量(SAR×検査時間)は、リスクマネジメントによって制限しなければならない
・短期 SAR
任意の 10 秒間にわたる SAR 上限値が,既定値の2倍を超えてはならない
・局所SAR
一定時間に任意の身体組織10gにわたって平均化したSAR
患者の体温の上限値
操作モード | 体内深部温度上限 [℃] | 局所組織温度上限[℃] | 体内深部温度上昇の上限[℃] |
通常 | 39 | 39 | 0.5 |
第一次水準管理 | 40 | 40 | 1 |
第二次水準管理 | >40 | >40 | >1 |
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