第14回-問題23

第14回の問題23の正答がわかりません
みなさんの意見を聞かせていただけるとありがたいです
よろしくおねがいします

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問題文

脳血流を評価するためのArterial spin labeling(ASL)法に関する正しい記述はどれか
2 つ選べ

1. T2*強調像を利用する
2. 遅延血流がある場合には血管内信号が高くなることがある
3. Post labeling delay(PLD)timeは1秒以下に設定しなければならない
4. 血流に信号を与えるRFパルスの印加効率は,連続波の方が単独波より高い
5. 本法で得られる脳血流定量値はヘマトクリット値やヘモグロビン濃度によって変化する

回答

解説サイト掲示板を確認したところ、以下の回答パターンがありました

①2、4
②2、5
③2、4,5
当サイトでは2、5を正答として扱っています

考察

1. T2*強調像を利用する

T2*WIを利用するのはDSC法

よって、この選択肢は誤りだと考える

2. 遅延血流がある場合には血管内信号が高くなることがある

参考資料① 以下の記載あり
「ASL Perfusion画像で高信号を呈するものは,脳梗塞に関する病態としては梗塞後の再開通やぜいたく灌流,腫瘍では髄膜種や悪性度の高いglioma,てんかん発作後,偏頭痛,posterior reversible encephalopathy syndrome(PRES),感染や炎症などがある。一方,低信号を呈するものは,脳梗塞に関しては虚血,ペナンプラ,てんかん発作後(発作間期),血管攣宿,腫瘍(低悪性度),leukoaraiosis,腫瘍壊死部などがある。」

よってこの選択肢は正しいと考える

3. Post labeling delay(PLD)timeは1秒以下に設定しなければならない

参考文献① Pxxxviiiに以下の記載あり

「通常は,スピンが脳皮質に到達するまでには 1 秒程度必要なため,PLD を 1.5 秒程度に設定すれば局所脳組織の灌流を反映した信号が得られることになる.当然ながら組織への到達時間は単一ではなく,組織や病態によっても変化することに注意が必要である.たとえば,PLDが到達時間よりも短い場合には,スピンが血管内に留まっているか組織に到達しない状態で信号収集されるため,灌流を正しく評価できない」

よって、この選択肢は誤りだと考える

4. 血流に信号を与えるRFパルスの印加効率は,連続波の方が単独波より高い

参考書籍:MRI評価と解析
印加効率はMTの影響が強い連続波のCASLよりその影響が少ない単一波のPASLの方が高くなる

よって、この選択肢は誤りだと考える

5. 本法で得られる脳血流定量値はヘマトクリット値やヘモグロビン濃度によって変化する

ほし様のコメントから引用
血液のT1値はヘマトクリット値やヘモグロビン濃度の違いによって変化します。
ASLはそれらの要素を計算上考慮していないだけであって、それらの要素によってT1値が変化するのでラベリングされる血液の信号値は変化します。

よってこの選択肢は誤りだと考える

コメント

  1. ほし より:

    正答2.5かと思われます。
    【理由】
    1.管理者様の解説通りであり、またASLはPDWなので×
    2.管理者様の解説の通りで◯
    3.磁場強度によりT1値の違いが生じるので必ずしも1.5秒ではないが、設問2と3の管理者様の解説通り1.5TのPLDは標準では設問3の解説となり、遅延血流を考慮した場合は設問2の解説となるので×
    4.印加効率はMTの影響が強い連続波のCASLよりその影響が少ない単一波のPASLの方が高くなります。MRI評価と解析にも記載されています。なので×
    5.血液のT1値はヘマトクリット値やヘモグロビン濃度の違いによって変化します。ASLはそれらの要素を計算上考慮していないだけであって、それらの要素によってT1値が変化するのでラベリングされる血液の信号値は変化します。よって◯

    上記理由により正答2.5となる。

    • 対策ノートの人 より:

      ほし様
      いつもお世話になっております。
      情報提供ありがとうございます。
      記事内で共有させていただきました。

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