第14回-問題41

第14回の問題41の正答がわかりません
心臓領域について詳しい方おられましたら教えていただけないでしょうか?
みなさんの意見を聞かせていただけるとありがたいです
よろしくおねがいします

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問題文

心臓のMRI検査に関する正しい記述はどれか
2つ選べ

1. たこつぼ型心筋症は強い遅延造影効果を示す
2. 心臓サルコイドーシスの好発部位は心筋内層である
3. 心アミロイドーシスは心内膜下にびまん性の遅延造影効果を示す
4. 遅延造影心筋の範囲が 30%未満であれば心筋バイアビリティありと判定する
5. 陳旧性心筋梗塞の遅延造影像は内膜下から外膜側へと広がる造影増強効果を示す

回答と考察

正しいものを2つ選べとなっていますが、解説サイト掲示板では3,4,5の3つが正しいと記載されています
各選択肢について調べてみたところ、私も3,4,5の3つが正しいのではないかと思いました

1. たこつぼ型心筋症は強い遅延造影効果を示す

 参考文献① P373にて以下の記載あり
 「たこつぼ型心筋症では,遅延造影MRIにおいて遅延造影がみられないことが特徴とされてきたが,最近EitelやNakamoriらは,たこつぼ型心筋症急性期の9%~22%の症例で心筋に淡い遅延造影がみられることを報告している」
 
 よって、この選択肢は誤りだと考えられる

2. 心臓サルコイドーシスの好発部位は心筋内層である

 参考文献① P18にて以下の記載あり
 「これまでに心臓サルコイドーシス症例の検討から,Valantineらは心臓病変が心室中隔基部(心房に近い心室中隔)に好発することを指摘した」
 
 よって、この選択肢は誤りだと考えられる

3. 心アミロイドーシスは心内膜下にびまん性の遅延造影効果を示す

 参考文献① P373にて以下の記載あり
 「遅延造影MRIでは,アミロイド沈着による間質の拡大を反映して,左室および右室の心筋内膜側に広範な遅延造影がみられ,心房壁や心房中隔にも異常を認める.特に,心房中隔の遅延造影を伴う肥厚はアミロイドーシスを強く示唆する所見である」
 
 よって、この選択肢は正しいと考えられる

4. 遅延造影心筋の範囲が 30%未満であれば心筋バイアビリティありと判定する

 参考文献① P30にて以下の記載あり
 「遅延造影MRIによる心筋バイアビリティ診断では,梗塞心筋の内膜側から外膜側方向への広がり(transmural extent)を評価する.慢性冠動脈疾患を対象としたKimらの検討によると,transmural extent が 50%を越えると血行再建術を行っても機能回復はほとんど期待できない

 参考文献② P47にて以下の記載あり
 「心筋バイアビリティ評価に関しては,陳旧性心筋梗塞の場合には、壊死心筋が左室壁厚の50%以上であったり,残存心筋の壁厚が4mm以下であると,血行再建による心機能改善が見込めない」
 
 また、直前対策講習会にて、この選択肢は間違いではないと解説されたそうです

 よって、この選択肢は正しいと考えられる

5. 陳旧性心筋梗塞の遅延造影像は内膜下から外膜側へと広がる造影増強効果を示す

 参考文献① P71にて以下の記載あり
 「遅延造影MRIは心筋線維化を高い解像度で描出し,心筋の造影パターンから冠動脈疾患による虚血性心筋症と非虚血性の拡張型心筋症を高い精度で鑑別することができる.虚血性心筋症では遅延造影が内膜下ないし内膜から連続して外膜側に連続して認められる.一方,非虚血性心筋症では約30%に心筋中層の遅延造影が認められ,心筋中層の遅延造影は不整脈死のリスクと密接に関連している」

 参考文献② P70にて以下の記載あり
 「虚血性心筋症と非虚血性心筋症との鑑別,拡張型心筋症と二次性心筋症との鑑別において,遅延造影の分布様式や形態評価が有用である.虚血性心筋症では冠動脈支配領域に一致して心内膜下から進展する遅延造影を呈する.」
 
 よって、陳旧性心筋梗塞の遅延造影像は内膜下ないし内膜から連続して外膜側に連続して認められるため、この選択肢は正しいと考えられる

 

 

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