クエンチ / 騒音

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クエンチ

撮像技術P205、完全解説P368、P370
試18-47、17-47、16-47、15-45、15-50、14-33、13-27、11-29、11-30、10-50、8-37、7-32、7-35、7-37、6-23、6-24、6-31、5-30、2-6、1-6

概要

超伝導磁石型MR装置で発生
・静磁場コイルが超伝導状態を保てなくなり、常伝導状態へ遷移することで発生
・液体ヘリウムに浸した磁石の綿材が過度に熱せられることで発生
 原因不明で発生する(自然クエンチ)こともある

・超伝導状態を保つ要素
:「臨界温度
臨界電流密度
臨界磁場

・MR室のドアは外開きorスライドドアが望ましい
→クエンチにより検査室内の圧力が高くなり、押しても開かないことがあるため
・マグネットの緊急減磁装置を作動させると、冷媒が気化しクエンチが発生
・故意にクエンチを発生させる時は、事前に消防署に連絡
・ヘリウム排気管や排気口に詰まりや閉塞があると、クエンチ時に検査室内に気化したヘリウムが漏れることがある
・安全対策として酸素濃度モニターを設置する
・野外のヘリウムガス排気口
 排気口付近では通行人などが近づかないように警告表示板などを設置する
 排気口から放出されるヘリウムガスが人体に触れると低体温症や凍傷を引き起こす恐れがあるため立ち入り制限区域を設ける

ヘリウム

・ヘリウムガスの特徴
:「無毒
無臭
不燃性
軽いため上にたまる

・液体ヘリウム1Lが気化すると770Lに膨張する
・霧状の雲が天井近くに現れた場合、ヘリウム漏れの可能性がある
・ヘリウムガスが漏れ、大気中の酸素濃度が15%未満になると呼吸困難となる

クエンチ発生時

・液体ヘリウムが気化し、磁場が消失
・周囲に低温霧が発生
・MR室内の圧力は少しくなる
・窒素の霧は急速に床に降下する
・真っ先に酸素濃度を確認する
・最も危険なのは窒息
・検査室に人がいないか確認し、いた場合はなるべく低い姿勢ですみやかに患者の救出に向かう
・付近の窓やドアを開放し、強制排気装置を作動させて、ヘリウムガス濃度を低下させる
・メーカー、警備室に連絡

騒音

試19-48、18-45、17-45、16-41、16-48、15-44、15-50、13-25、12-28
JISZ4951参照
参考書籍:完全解説P496~
安全性の考え方2版P155

・原因
傾斜磁場コイルの振動
→静磁場中で傾斜磁場コイルに流れる大パルス電流をオンオフさせることにより振動する
フレミングの左手の法則に従って働くローレンツ力に基づいている

等価騒音レベルdB(A)で表す

・聴力低下に対する保護の規格
a. 限界値:80dB(24時間平均)
→職業的に長期にわたって騒音にさらされる人が永久的に難聴となるリスクに基づく
b. 1時間の等価騒音レベルが99dBを超える場合
→患者の安全性を考慮して聴力保護が必要
聴力保護具を適切に使用する
c. 患者が接触できるあらゆる領域において140dBより高いピーク音圧レベルの騒音を生じてはならない

・騒音の測定方法:NEMA MS4
・MR装置最大の傾斜磁場騒音:MGAN
・臨床画像撮像条件で発生する最大騒音:MCAN
・騒音の大きさの影響因子
 傾斜磁場の変化の幅が大きいほど大きい
 スルーレートが大きいほど大きい
 主磁場がいほど大きい

・騒音対策
 傾斜磁場の立ち上がり時間を長くする
 シーケンスのタイミングを調整する
  →共振周波数のシーケンスの周波数成分を集中させない

 

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